大和名所記・和州旧跡幽考・林宗甫・大和国全域の名所・旧跡を考証・各郡単位に網羅した最初の刊本で画期的な地誌/大和名所図会/2冊

商品説明
大和名所記・和州旧跡幽考・林宗甫・大和国全域の名所・旧跡を考証・各郡単位に網羅した最初の刊本で画期的な地誌/大和名所図会・秋里籬島/2冊

大和名所記・和州旧跡幽考・林宗甫：平成2年 復刻版 950P程度 大和名所図会：昭和46年 712P 復刻版 ゆうメール・レターパック規格外80 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

池田 末則
『大和名所記』は徳川中期、大和国全域の名所・旧跡を考証、各郡単位に網羅した最初の刊本で、画期的な地誌である。本書はいわゆる観光案内的なものではなく、大和郡山の学者林宗甫の好著である。

延宝九年辛酉(一六八一)の開板であるが、「天和三度九月吉日」(一六八二)の刊記あるものもみられる。 大本二十巻十五冊、巻頭に著者の序に次いで大和全図を掲げ、以下各郡別に名所・旧跡を考証している。
「和州旧跡幽考」は内題であるが、柱刻には単に「和」とのみあり、この内題が本書の原題であったものと推定されている。終巻末に懶斎亀蔵(藤井懶斎か)の跋がある。山崎闇斎門の逸才藤井順斎と親交 のあったことがわかる。

「延宝三年(一六七五)四月には『南都名所集』(南都太田叙親・村井道弘著、大本十巻十冊、井筒屋版)、 同六年(一六七八)には『奈良名所八重桜』(江戸大久保秀興・南都本林伊祐、大本十二巻十二冊、江戸柏屋仁右衛門版)というように、延宝時代には珍しく三回も奈良・大和の名所記の出版をみるのである。いずれも巷間すでに稀親書として愛蔵せられ、一般にこれを披見することは殆ど能となった。 因みに『奈良名所八重桜』(昭和六十年頃)のごときは時価四百五十万円前後といわれる。

例言
大和名所岡會は青丹よし奈良の舊都を中心として、大和一圓十郡に亙る名勝古跡の圖解地誌にして、全 六巻七冊、寛政三年の編纂に係る。著者は秋里籬島、畫手は春朝齋竹原信繁なり。 我國の名所墓地に富める、山城大和の二國に如くなし、而して前者の榮華の史蹟たるに反して、後者は 賞に哀史の形骸たち。難を芳野の巖窟に避け、國栖の粟飯に飢を凌ぎし 研見原天皇の昔より、義經源 九郎の没落、護良親王の辛酸、村上義光父子悲壮の忠死、小楠公如意輪堂の遺督、南朝末路の惨憺等、 舉げ來れば唯これ哀史を以て終始せるの觀あり、千載の下人をして感慨痛傷に堪へざらしむ。されば孟 春三月、輝妖の美を装へる櫻花に對しても、歌人は『春?に花は咲けど花咲かで』徒に凋落したる吉野 皇居の怖をしのび、詩客は『延元陸上落花風』を恨み、俳家は『歌書よりも軍書に悲し』と歎じたり。蓋し 大和名勝の景物は、所謂花鳥風月の情趣以外に、一種蕭條の氣韻を帶ぶるものあるに因るなり。今本書を縮く者、亦必ずや此感想に撃たれずんばあらじ。 本書の編纂に就いては、初め滕禹言大和名勝志を撰するの企圖あり、功十の三に充たずして歿す。偶離島の都名所圖會前後編成り、名聲天下に噴々たるに及び、洛陽の書肆芙蓉房、離島に勸がるに頭言の遺志を紹がんことを以てす。籬島辿ち其草稿を得て補足集成したるものなり。

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